アカデミーで生徒指導の仕事に携わる前は、電気事業分野に長らく身を置いてきた。そこで上司に口を酸っぱくして言われたのが「報・連・相」と「PDCA」である。他にも多々指導を受けたとは思うがこの二つほどには強烈な印象として残っていない。
報連相とはもちろん報告、連絡、相談の意味で、組織においてはこれを適宜的確に行うことで業務が円滑に進むと言われる。一方のPDCAとは
P(plan)、D(do)、C(check)、A(action)
のことで、業務の質を高める意味で効果的であるとされる。つまり具体的なプランを立て、それを実行する。そしてその結果を検証し、不備があれば対策なり歯止めを考え、次のより良いプラン作成に生かすというものだ。このPDCAは無限に連鎖しており、いい循環が生まれると業務の質は飛躍的に高まるとされる。
いうほどにたやすくはないのだが、これは受験勉強にも当てはまると思う。一週間の具体的勉強プランを立て、実行し、もしそれが確実に実施できなかったのであれば原因を探り、改善策を見つけ次の計画立案に活かす。今までたくさんの生徒を見てきたが、合格の栄冠を手にした生徒はこのPDCA.を自然に回していたような気がする。
それではということで今年からすべての生徒に計画手帳を持たせ、一週間の計画と実績、反省を書かすようにした。反省の上に立ってより良い次週プランを立ててもらおうという狙いである。緒についたばかりでまだまだ顕著な効果が出ているわけではないが、これまで計画性のなかった生徒にも計画立案の有用性が浸透してきているような気がする。
PDCAが定着し、生徒がこれからの人生の各ステージを計画性をもって乗り切ってくれればと願っている。
教務 高取正臣



